IN FOCUS(インフォーカス)は、事実のきしみ合いから物語を紡ぐWEBマガジンです。 社会に生きる人々の営みを取材して伝えます。
◆編集方針
・意見よりも現場の事実を発信する
・物語に事実を奉仕させない
・大きなトピックだけを追いかけない
・意味の明快さと豊かさを共存させることを諦めない
◆発行/編集:相沢 由介(Yusuke Aizawa)
2016年にドキュメンタリーマガジン「IN FOCUS」を創刊し、身近なローカルのヒト、モノ、コトを取材。
ライター、カメラマン、デザイナーとしても活動する傍ら、ニュースサイト「TOHOKU360」を立ち上げた合同会社イーストタイムズにも参画。TOHOKU360での執筆や編集、地域/企業のブランディング&プロモーション施策の企画やコンテンツ制作も行っている。
私はこれまで、ライターという仕事で様々な取材をこなしてきました。そうした取材を重ねる中で、やはり「IN FOCUS」でしかできないこと、発信できないことがあると考えています。
一般的に、取材を行いそれを何らかの形で発信する際には、明確なテーマ設定が必要になり、そのテーマに沿わない事実は、切り捨てざるを得ません。それは必要なことだし、悪いことでもない。でも、いつも思います。「もったいねえな」と。捨ててしまう事実にもそれぞれ含蓄があり、捨てる事実と残す事実には優劣はないのだと。
私達は意味が何重にも重なった曖昧な世界で、決してひとつのテーマでは割り切れない人生を生きています。折り重なった意味のひとつひとつ、人生の断片のひとつひとつが、すべて等価に存在し、有機的に絡み合っています。それらをまずはフラットに受け入れ、社会や他人から要請されたものさしではなく、自分の心根にあてて捉え直してみる。そうした態度の先に、初めて多様な価値観を受け入れられる自分が居る気がします。
私はこれまで、取材でも私生活でも、自分の無理解で少なくない数の人たちを傷つけてきました。他人を理解し、受け入れ、付き合っていくことは本当に難しいです。「まあ、いろんな人がいるよね。人それぞれだよね」と、自分の無理解に蓋をする都合の良い美辞麗句はすぐに思いつきます。でも、それでは何も解決しませんでした。安っぽい言葉かもしれませんが、向き合い続ける。それが「IN FOCUS」の基本的な態度です。